日本は今や薬学に関して世界でも屈指の水準に達していますが、国の事業としての歴史は各国と比べてそれほど長いわけではありません。1880年に日本薬学会が発足され、そこから現代に至るまでの研究が始まりました。ただし、民間レベルでは平安時代の時点で既に薬園が設置されていたり、薬草に和名をつけていたりといった活動が行われていました。また、鎌倉時代には僧医の著書とされる薬種抄が撰出された記録が残っています。簡単な薬草の配合であれば、問題なく行えるほど、薬に対する知識を持つ人々が増えていきました。
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