薬学という学問に関しては、海外で比較的早くから登場していたといわれています。医師だけでなく、薬剤師はアラビアで9世紀に登場しており、医学と薬学を昔から別のものとして取り扱っていたことがわかります。それ以前にも古代メソポタミアで薬品に関する粘土板が発見されていることも事実です。そのため、歴史上古くから登場していたことは事実といえます。しかし、日本では薬学に関する専門家は昔から登場しておらず、医師が薬剤師と同様の役割を抱いていたことは数々の書類からも明らかです。
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薬学の歴史は、非常に古いと考えられています。その起源を遡ると、紀元前にまで到達します。それ以前にも薬草を使ったりして傷の治療をしていた時期はあったと考えられていますが、明確にそれを証明する方法がないので、推測の域を出ません。古代エジプトにて紀元前1550年ごろに書かれたパピルス文書には、明確に薬品の記述があります。およそ700種類もの薬品が書かれている文書が実際に発見されているので、それ以前から薬学は存在していたことの証明となります。
世界の薬学の歴史を語る上では、ギリシャは外すことができないのではないでしょうか。古代ギリシャではヒポクラテス医学というものが発達していて、そこで数百種類にも及ぶ薬が使用されていたことがすでに研究で分かっているからです。これを薬学の起源だと考える人も多いです。大きな成果を残したせいか、ヒポクラテスは医学の父という呼び方をされることもあります。また、植物誌や薬物誌、ギリシャ本草という書物が記されていて、それらは後のヨーロッパ全体に大きな影響を与えたと言われています。