薬学という学問に関しては、海外で比較的早くから登場していたといわれています。医師だけでなく、薬剤師はアラビアで9世紀に登場しており、医学と薬学を昔から別のものとして取り扱っていたことがわかります。それ以前にも古代メソポタミアで薬品に関する粘土板が発見されていることも事実です。そのため、歴史上古くから登場していたことは事実といえます。しかし、日本では薬学に関する専門家は昔から登場しておらず、医師が薬剤師と同様の役割を抱いていたことは数々の書類からも明らかです。そもそも日本では薬師と呼ばれる職業が医師を指しており、明治時代までは医薬を分ける発想がありませんでした。
この点に関しては日本独自の価値観により、明治時代により海外の発想を取り入れてから分業になるまで時間がかかったといわれています。海外で歴史上もっとも古い薬剤師に関する法令が出されたのは、1240年、シチリアの皇帝によってでした。西洋では薬に毒を入れて毒殺するため、薬品が暗殺の道具として定着していた経緯が背景にあるからです。毒殺を恐れた皇帝が、処方箋を医師に書かせて、医師とは関係ない薬剤師に薬を処方させる形をとることで、避けようとしたといいます。現代の意志と薬剤師との関係の原型が登場したのは、まさにこの時でした。
日本では漢方とオランダからの医学によって長年医師が薬を処方してきましたが、医師によってその質にばらつきがあったことから、明治政府がドイツ医学の導入を行います。この結果、医薬分業が行われ、薬の品質が安定してきました。現在では定着している形になるまで、時間がかかったのは事実です。1889年には日本で初めて薬局が登場し、現代の医学に近づいています。歴史上の紆余曲折を経て、現代医学の形に近づいていることが、はっきりとわかります。
[参考]
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